今回の手術で知ったこと。3年前の「気管癌」の手術後、主治医から今後、転移の可能性が高いこと。一番可能性が高いのは「肺転移」と聞いていました。

 

腺様嚢胞癌患者会「TEAM ACC」の仲間の状況を見ても最も多いのが肺転移です。今回の肺転移発覚で主治医と交わした会話の中で知ったことですが、肺は胸膜という膜で覆われその周囲は肋骨で守られています。(私の場合、鎖骨、第一肋骨、第二肋骨が無いので咳をするとカエルの喉のように大きく胸の上部が膨らむのですが、肺が膨らんでいるのですね!!)

 

肺は、胃や肝臓などの臓器と異なり肉のような組織でできているのではありません。わかりやすく言えば、スポンジのような組織で出来ています。そして、右の肺は3つの肺葉から、左の肺は2つの肺葉で構成されています。

 

肺を原発とする小細胞肺がん、大細胞肺がん、肺腺がんなどの肺がん、他のがんの転移である転移がんがありますが、私の場合は後者です。多発転移の場合は手術で取り除くのが困難なようですが私の場合多発転移ではなかったので手術で切除が可能でした。

 

術式としては、進行状況、場所により片肺全摘、肺葉切除、区域切除、部分切除と分かれます。

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洛和会音羽病院(京都市山科区)のホームページより

http://www.rakuwa.or.jp/otowa/shinryoka/kokyuki/cancer.html

 

今回の私の場合は、部分切除でした。部分切除は本来なら胸腔鏡手術になるので2~3cmの穴が2~3個で済むのですが、私の場合、胸の気管孔呼吸で気管が短いために片肺送管が困難と言うことで急遽術式変更で開胸手術となり10cm切ることになったのです。(当然、切る範囲が大きくなるため侵襲は高くなり術後の痛みは増します。ちなみに肺自体は神経がなく痛みを感じません。)

 

手術自体は無事に終わり、画像で確認できる転移巣は切除されました。当然、癌とその周囲の肺組織をごそっと大きめに切除します。

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退院後1週間(術後12日)の診察で、血液検査によるCRPの値の低下、胸部レントゲンで術後と現在での右肺の大きさが膨らんでいることが確認され回復が順調であることがわかりました。抜糸も終わり痛みが消えるのを待つだけです。

 

肺はがんと共に大きめに切除されたわけですが、退院後、近所を散歩しただけで息切れがしたこともあり、「切除された部分は何もない空洞状態になるのか?」「肺機能の低下がどれくらいなのか?」が気になったため主治医に確認しました。その結果、部分切除では取り除いた部分に周囲の肺組織が張り出してきて空洞状態にはならない、肺の機能低下もさほど起こらないことがわかりました。

 

退院後1週間の受診で肺が膨らんできているとのことでしたが、年明けの筋トレ再開、ブルガリアンスクワットで術前との大きな変化は感じませんでした。今後のトレーニング、日常生活に大きな支障はないと確認できたので、徐々に負荷をあげていけると思います。とりあえずは一安心です。