今日から9月です。
東京オリンピック2020に引き続き、東京パラリンピックが開催され日々熱戦が繰り広げられています。
新型コロナ感染爆発、緊急事態宣言下で大方の民意に反しての強行開催の是非は横に置いといて、厳しい状況下で戦い続けるアスリート、パラアスリートには心から敬意を表したいと思います。共に凡人では出来ない世界レベルのパフォーマンスを我々に見せてくれ、それは人生を賭けた血の滲むような努力で成り立っており人々に感動を与えます。
ただ、自らの支持率を上げる為に来るべき選挙のためにアスリートたちを政治利用する政治屋には強い嫌悪感を感じています。国民は馬鹿ではありません。逆効果を産むと知るべきです。
さて、“パラリンピックの父”と呼ばれるイギリスの病院の医師、ルードウィヒ・グットマン博士が残した言葉に・・・
「失ったものを数えるな、残されたものを最大限生かせ」
という言葉があります。
約4年前、私自身も気管癌切除手術で声を失い、両鎖骨、第一肋骨、第二肋骨、胸骨、右大胸筋を失いました。呼吸は鼻、口ではなく胸の気管孔呼吸になりました。気道は狭まり、ネブライザー、痰処理が必須となりました。骨、筋肉がないのですから当然上半身の動きの機能障害が発生します。このことが私のパラリンピックを見る目を変えたことは言うまでもありません。
私のがん切除手術までの人生では筋トレがライフワーク、いや、すべてと言っていいかもしれません。それが命と交換にすべて失いました。
「術後は筋肉、骨がないという問題だけでなく、気管孔呼吸になるため、息むこと、気張ることが出来ないから筋トレは難しい。気張ることが出来なくなるから便秘にも気を付けなさい。」と主治医に言われていました。しかし、半年の入院生活後、まずやったのが亀田総合病院内にあるリハビリ施設へ通ってのリハビリ筋トレでした。自宅では、2.5kgのシャフトとゴムチューブで出来る事を考え実践してきました。
関西に戻った後も尼崎のベイコム体育館に通い、出来る筋トレを続けました。その矢先のコロナパンデミックです。体育館は閉鎖され運動の場を失いました。再開後もとどまることを知らないコロナ感染拡大で気管孔からの感染リスクが高いこともあり体育館への復帰には踏み切れませんでした。そこで始めたのが、町内を歩き公園にある遊具でのトレーニングです。幸い近隣に懸垂バー、平行棒、うんていなどの遊具がある公園があったのです。
今は、朝5時に起きての公園筋トレに取り組んでいます。現役時代のような見栄も拘りも無くなり、自身の今の体力向上、免疫力向上を目標とした実にシンプルで合理的なトレーニングを実施しています。娘は「お父さん、鎖骨、肋骨、胸骨がないのによく筋トレや懸垂が出来るわ」とあきれていますが、若い頃から続けてきた筋トレのノウハウ、人並み以上の「筋肉貯金」があったからだと思います。
歌うのが、おしゃべりが好きなのに声が出せません。海が好きなのに気管孔では溺れるから海に入れません。ボディビルマスターズ挑戦を目論んでいたのに骨と筋肉がないからこれも夢のまた夢。
でも、
「失われたものを数えても仕方がない。今あるもので出来る事をやろうじゃないか。」
月ボを見ていると闘病中にコンテストのカテゴリーが増え、正直、浦島太郎状態なのですが、タンクトップを着てのコンテストもあるようです。
「これなら失った大胸筋は見えない。出る、出ないは別にして、出ても恥ずかしくない体を目指してみよう!!」と月ボとパラリンピックを見て思った次第です。
何をやるにしても目標を持つことは大切ですからね!!
ルートウイッヒ・グッドマン博士の
「失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ。」
に強く共感しているBIGTOEです。
※東京パラリンピックのイメージポスターが採用され大活躍の新木友行さん、全日本プロレスのゼウスと。しんちゃんは、アーティストであると同時に大阪京橋のキングジムで障害に負けず汗を流すトレイニーでもあります。