★未来を生きる為に★BIGTOEの「筋トレが救った癌との命がけの戦い」

健康を自負していたボディビルダーに突然降って沸いた「ステージⅣ」の癌宣告。それも効く抗がん剤がない、放射線も効かない「腺様嚢胞癌(せんようのうほうがん)」という聞いたこともない稀少癌、しかも、気管内と言う悪条件で生き残る可能性は成功しても大きな後遺症が避けられない命を賭けた大手術のみ。 そんな現実に直面して思う人生あれこれ。 2019年1月「筋トレが救った癌との命がけの戦い~腺様嚢胞癌ステージ4からの生還~」という書籍に。アマゾン、楽天ブックス、体育とスポーツ出版社のホームページなどから購入できます。

タグ:#がん罹患

BIGTOEの筋肉物語』レビューより「スロートレーニング」

 

近年では日本でも東京大学の石井直方先生「スロトレ」と称してその効果を発信しておられますが、それ以前は軽重量では、「遅筋を主に使い速筋を使わないから筋肥大が起こらないのでは」とか、「稼動する筋繊維の数が少ないから筋肥大しないのでは」と言った懸念もされていました。

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筋繊維の破壊、修復ということから考えてヘビートレーニングと全く同等の効果とは言いませんが、高強度トレーニングのバリエーションとしてその効果は絶大と言えます。同時に、関節への急激な負荷がかからない為、関節を痛めるリスクが少ないというメリットもあります。石井先生が著書「いのちのスクワット」スロースクワットを推奨されている所以でもあります。

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【スロートレーニング】

 

◎スーパースロートレーニングとは?

米国のケン・ハッチンスによって提唱された「スーパースロートレーニング」は、通常のウエイトトレーニングに比べて、極めてゆっくりとしたスピードで動作をおこなうため、安全かつ効果的なトレーニングとして知られています。

 

やり方としては、軽い負荷で、10秒で挙げて5秒で下ろします。反復回数は10回、頻度は1週間に1回程度、負荷を徐々に増やしていきます。

 

◎スーパースロートレーニングへの疑問

スロートレーニングでは、「軽重量しか使えないため、遅筋を主に使い速筋を使わないから筋肥大が起こらないのでは」とか、「稼動する筋繊維の数が少ないから筋肥大しないのでは」、つまり「速筋を刺激するには高重量を用いなければならないのではないか」、とかいった考えもあるようです。

 

◎私としては・・・

私としては、筋肥大に最も大切な要素は「強度」ではないかと思います。「いかに短い時間に筋肉に強い刺激を与えるか。」今、トレーニング時間が朝30分しかとれない生活環境下を利用して、短時間に強い刺激を与えるため、腕、脚、肩に「スロートレーニング」を4ヶ月前から取り入れています。

上腕囲で2センチ、体重で4キロ増えています。そのことから、スロートレーニングでは速筋を使わない、筋繊維の稼動数が少ないというのは当たらないのではないかと思っています。

そして今、次のステップとして、さらに強度を増すため2秒で挙げ、10秒で下ろす(ネガティブ重視)、さらにディセンディングセット(3ドロップ)を併用した変則トレーニングを行なっています。レップは5レップス、頻度は1部位週1回です。

 

時間管理はスポーツ用メトロノームを使っています。

 

◎スロートレーニングで特筆すべきこと

「スロートレーニング」で最も特筆すべきことは、関節に優しく怪我をしにくいという点にあります。私自身、肘に軟骨が出て関節に爆弾をかかえており、通常のトレーニングでは少しでも無理をすると、痛みが出て「もう無理かな」と思っていたのですが、「スロートレーニング」を取り入れて以来、一度も痛みが出ずに2センチのサイズアップができたのです。

この調子でいけば、この年齢、この肘にして、カムバックも不可能ではないとも思えるくらいです。

それが、スロートレーニングがアスリートだけではなく、高齢者、リハビリ、私のような故障持ちにも有効と言われる所以でしょう。

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(※20188月 石井先生も私も本格的な筋トレも「がん罹患」という大病からのリハビリで「スローな筋トレ」を実施。その効果を身に染みて感じています。)

相変わらずのコロナ渦ですが、季節は巡りトレーニングしやすい気候になってきましたね。

 

20歳から本格的に筋トレを始めて45年。若いころはもっと大きな筋肉を、もっとキレのある体を追求。そして、コンテストで勝つことを目指していました。そして、コンテストを引退し、壮年期と言われる年齢になっても、その年齢での最高の肉体を求めてきました。そのかいあって、年齢不相応な肉体を維持してきました。

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しかし、3年前、がん罹患が判明して、大きな手術を受けることに。

術後は、呼吸は胸の孔でと大きく変わり、障害者として生きることになりました。主治医からは、「術後は息むことが出来ない、気張れない、骨と筋肉の切除もあり筋トレは出来ないよ。」と言われていました。

 

しかし、「生きるために手術を受け、生まれ変わった体で奇跡を起こす」と決めたし、幸い40年以上に及ぶ筋トレで筋トレのノウハウを熟知していたため、残された骨で、筋肉で、気管孔での呼吸で出来るトレーニングを試行錯誤しながら退院後も続けています。医師はがん治療にかけてはプロですが、トレーニングについては素人ですから。

 

ただ、目標は大きな筋肉作りから術後の体力回復、今後も続くがんサバイバーとして生きるための体力作りに変わりました。

 

病気とがんと戦ううえで体力がものをいうことは、この3年で身をもって体験してきましたし、あるがんの専門医も筋トレを推奨されていて、体力があれば、術後の回復がはやいし、抗がん剤、放射線の副作用も軽くすむと言っておられます。

 

色々な運動方法が存在しますが、筋トレは、そのノウハウを知っていれば、目的に、体力に、環境に応じて合理的に体力を向上させるのに最も有効な方法です。

 

ただ、思うのは、罹患してから始めるのでは、やり方もわからず、病気の進行具合、自身の体と相談しながら進めなければならないため困難が伴います。その点、私は長い経験があり、ノウハウを熟知しているのでラッキーでした。大手術の翌日ICUから歩き始め、体調と相談しながらトレーニングを続け、入院中に78㎏から64㎏まで落ちた体重も75㎏まで戻ってきています。

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もちろん、現役時代のようなバキバキの体ではありませんが、「ぽっちゃり気味の方が長生きする」というデータもあるので気にしません。

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健康に人生をおくり、病気になった時のために普段からのトレーニング習慣が大切なのです。

 

次回からは、202010月現在のトレーニングです。

 

(目的)術後のがんサバイバーとしての体調維持と将来来るであろう発症に備えての体力作り。

実際、やっていることは筋トレですが、目的が手術前は筋肥大、筋力アップだったのだけれど、今は体力維持、がん再発及びその他の病気になった時に備えての体力向上に変わっています。

 

がんサバイバー、がんカンジャーとして、改めて思うこと。治療を受けるにあたって「がん保険」も大切ですが、手術からの回復、放射線治療、抗がん剤治療においては、「普段からの体力作り」がものを言い、とても大切だということです。

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