私にとって、癌という病気が親戚縁者に一人しかいなかったために、「告知」は、家族にして本人には告知しないのだと何となく思っていました。でも、今は違うのですね。

私の場合、医師からの検査の結果を聞きに行く時も「家族と一緒に来てください。」とかは言われませんでした。そこに至るまでの検査で「これは、あまり良くなさそうだな。腫瘍といっているがどうも悪性臭いな。」とは感じていたので、家内と娘が当日同席していたのですが、あっさりと「悪性の腫瘍です。それも検査の結果、腺様嚢胞癌という稀少癌であることがわかりました。やっかいな癌で効く抗がん剤がありませんし、放射線もあまり効果が期待出来ません。ステージは4です。」と告げられましたが大きな衝撃はありませんでした。

とは言え、愕然としなかったと言えば嘘になりますが、その一方で何故か冷静な自分が居て、「では、どうすればいいのですか?治療法はあるのですか?」と聞いていました。

「治療法としては、1に手術。次に放射線ですが、手術に比して効果が大きく下がります。また、一時的に小さくなったり、成長が止まっても、再び大きくなる可能性が大きい。」と告げられました。

その後の1か月は、もともと、「万が一、癌になっても手術はしたくない、副作用の大きな抗がん剤治療もできれば避けたい。」と思っていたので、それ以外の方法を模索することに奔走していました。

「手術以外に道がない。」と納得するまでの過程で心の葛藤、動揺があり、不安からくる体調不良にはなりましたが、比較的冷静だったと思います。

ドクターも告知は相手を見てするのでしょうが、最近では患者本人へ告知をすることが当然であるという考え方が主流になってきているようです。

患者自身に告知をすることで、医師と患者の間で嘘がない信頼関係を築き、医師と患者が一体になってより良い治療を受け、同時にQOL(Quality of ife 生活の質)を高めることが出来るということなのでしょう。患者本人が自分の病気が癌であると認識していないと受けられない治療もあります。

人によってはショックが大きすぎるという懸念があり悩ましい重大な問題ではあるのですが、私は、もともと「自分が癌になった場合、告知希望」だったので特に違和感はありませんでした。