アフラックのがん保険のCMに櫻井翔くんと出演していた山下弘子さんが今朝25歳で亡くなったそうです。

私が彼女を知ったのは、数年前にテレビ放映されたドキュメンタリー番組でした。立命館大学の学生だった19歳のときに肝細胞がんで余命半年と診断され、複数回にわたる手術、抗がん剤治療、RFA(ラジオ波凝固療法)など、可能性のある数々の治療を模索し、再発と転移をくり返しながらも、本を出版したり(山下弘子さんの著書「人生の目覚まし時計が鳴ったとき」)、がん保険のCMに出たり、講演をするなど生きるために笑顔で前向きに戦っておられました。昨年には結婚もしてその前向きな生き方に勇気付けられた方も多かったはずです。

私も彼女の生きる気持ちがもっともっと彼女を生かせてくれるに違いないと思っていました。

彼女が番組の中で語っていた言葉に「がんになった今の方が幸せ」というのがありますが、そんなわけはありません。ならずに済むならならないほうがいいのに決まっているからです。

でも、多くの人間は何となく人生は永遠に続いて、なんとなく明日は来るものと思い込んでいます。そして、追い詰められないと人生の貴重な時間をなんとなく生きてしまうのです。

多くの人は、「死を宣告され、死に直面すること」で、初めて、「自分が存在し生きることの意味」「人生において幸せって何だろうか?」「ならば今生きている自分は何をすべきか?どう生きるべきなのか?」を自身に残された時間に向き合って、真剣に考えるのだと思います。
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私自身、昨年6月までのほほんと生きていたつもりはありませんが、そのようなことを真剣に考えることはありませんでした。そして、防衛医科大学病院で「ステージ4で余命3か月のがん宣告」を受けて、初めて「自分が存在し生きることの意味」「人生において幸せって何だろうか?」を本気で考え出し「生きる戦い」を選んだように思います。

「ステージ4のがん宣告」そして、手術、半年に及ぶ入院で、家族の温かさ、多くの真の友人たちの温かさに触れることが出来ました。戦いは、まだ始まったばかりですが、人生いつ終わるやわかりません。(これは、私だけでなく、老若男女今生きている人々すべてです。)

今は、限りある人生を「自分の存在の意味があること」「人生で最も大切な家族と親戚と友人たちと笑顔で幸せを感じること」だけを考えて悔いを残さないように生きたいと思います。

今日の山下弘子さんの逝去を知り、さらにその思いを強くしました。彼女は精一杯1日1日を生きたのだと思います。

この意味で、弘子さんの言った「がんになった今の方が幸せ」という言葉は正解なのでしょう。

心よりご冥福をお祈り申しあげます。
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(山下弘子さんの著書「人生の目覚まし時計が鳴ったとき」)