BIGTOEの筋肉物語』レビューより「スロートレーニング」

 

近年では日本でも東京大学の石井直方先生「スロトレ」と称してその効果を発信しておられますが、それ以前は軽重量では、「遅筋を主に使い速筋を使わないから筋肥大が起こらないのでは」とか、「稼動する筋繊維の数が少ないから筋肥大しないのでは」と言った懸念もされていました。

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筋繊維の破壊、修復ということから考えてヘビートレーニングと全く同等の効果とは言いませんが、高強度トレーニングのバリエーションとしてその効果は絶大と言えます。同時に、関節への急激な負荷がかからない為、関節を痛めるリスクが少ないというメリットもあります。石井先生が著書「いのちのスクワット」スロースクワットを推奨されている所以でもあります。

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【スロートレーニング】

 

◎スーパースロートレーニングとは?

米国のケン・ハッチンスによって提唱された「スーパースロートレーニング」は、通常のウエイトトレーニングに比べて、極めてゆっくりとしたスピードで動作をおこなうため、安全かつ効果的なトレーニングとして知られています。

 

やり方としては、軽い負荷で、10秒で挙げて5秒で下ろします。反復回数は10回、頻度は1週間に1回程度、負荷を徐々に増やしていきます。

 

◎スーパースロートレーニングへの疑問

スロートレーニングでは、「軽重量しか使えないため、遅筋を主に使い速筋を使わないから筋肥大が起こらないのでは」とか、「稼動する筋繊維の数が少ないから筋肥大しないのでは」、つまり「速筋を刺激するには高重量を用いなければならないのではないか」、とかいった考えもあるようです。

 

◎私としては・・・

私としては、筋肥大に最も大切な要素は「強度」ではないかと思います。「いかに短い時間に筋肉に強い刺激を与えるか。」今、トレーニング時間が朝30分しかとれない生活環境下を利用して、短時間に強い刺激を与えるため、腕、脚、肩に「スロートレーニング」を4ヶ月前から取り入れています。

上腕囲で2センチ、体重で4キロ増えています。そのことから、スロートレーニングでは速筋を使わない、筋繊維の稼動数が少ないというのは当たらないのではないかと思っています。

そして今、次のステップとして、さらに強度を増すため2秒で挙げ、10秒で下ろす(ネガティブ重視)、さらにディセンディングセット(3ドロップ)を併用した変則トレーニングを行なっています。レップは5レップス、頻度は1部位週1回です。

 

時間管理はスポーツ用メトロノームを使っています。

 

◎スロートレーニングで特筆すべきこと

「スロートレーニング」で最も特筆すべきことは、関節に優しく怪我をしにくいという点にあります。私自身、肘に軟骨が出て関節に爆弾をかかえており、通常のトレーニングでは少しでも無理をすると、痛みが出て「もう無理かな」と思っていたのですが、「スロートレーニング」を取り入れて以来、一度も痛みが出ずに2センチのサイズアップができたのです。

この調子でいけば、この年齢、この肘にして、カムバックも不可能ではないとも思えるくらいです。

それが、スロートレーニングがアスリートだけではなく、高齢者、リハビリ、私のような故障持ちにも有効と言われる所以でしょう。

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(※20188月 石井先生も私も本格的な筋トレも「がん罹患」という大病からのリハビリで「スローな筋トレ」を実施。その効果を身に染みて感じています。)