昨年6月のステージ4の腺様嚢胞癌気管癌告知以来、検査、セカンドオピニオン、検査、入院、手術、退院、再入院、退院、鴨川での療養生活と瞬く間に16カ月が経過しました。
その間、私と同じ稀少癌である腺様嚢胞癌が気管に出来た方には私を含めて4人しか出会っていません。そして、私とおなじ喉頭部全摘出、鎖骨、胸骨、第一・第二肋骨、気管の大部分を切除して、胸に気管孔を制作した方には、一人も出会っていません。
この手術が出来るドクターは数人しかおらず、スーパードクターと言われる私の主治医でさえ、4年ぶり、生涯3人目とのことだったので当然と言えば当然のことなのでしょう。
そうなると、生まれ故郷である関西に帰ってくるにも、引き継いで治療にあたってくださる病院、ドクターを探さなければならないということになりますが、正直、手術前にはそこまで考えていませんでした。主治医でさえ、術後の細かいケア、気管孔挿入のチューブなどのケア用備品は試行錯誤、ましてや引き継いだドクターはなおさらでしょう。
せめて、同じ癌で、同じ手術を受けた先輩患者さんが現れて、経験に基づいたアドバイスをいただければありがたいのですが・・・。
ある意味、パイオニアに近い。自分が自分主導で情報を集め、ドクターと話し合いながら、これからも進んでいくしかないのでしょう。そして、それを記録として後世に残していくことが自分に与えられた使命なのかもしれません。
「私と同じ癌で、同じ手術を受けた先輩患者さんは居ませんか?」
そんなことを考えていたら、私の恩人のひとりスーパーナースさんからメッセージが届きました。必然を感じました。
「苦難にある者たちの告白」
−ある患者の詩−
大事を成そうとして、
力を与えてほしいと神に求めたのに、
慎み深く、従順であるようにと
弱さを授かった。
より偉大なことができるように
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた。
幸せになろうとして
富を求めたのに、
賢明であるようにと
貧困を授かった。
世の人々の賞賛を得ようとして、
権力を求めたのに、
神の前にひざまずくようにと
弱さを授かった。
人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに、
あらゆることを喜べるように
命を授かった。
求めたものは一つとして
与えられなかったが、
願いはすべて聞き届けられた。
神の意にそわぬ者であるにもかかわらず、
心の中の言い表せない祈りは
すべてかなえられた。
私はあらゆる人の中で
最も豊かに祝福されたのだ。