★未来を生きる為に★BIGTOEの「筋トレが救った癌との命がけの戦い」

健康を自負していたボディビルダーに突然降って沸いた「ステージⅣ」の癌宣告。それも効く抗がん剤がない、放射線も効かない「腺様嚢胞癌(せんようのうほうがん)」という聞いたこともない稀少癌、しかも、気管内と言う悪条件で生き残る可能性は成功しても大きな後遺症が避けられない命を賭けた大手術のみ。 そんな現実に直面して思う人生あれこれ。 2019年1月「筋トレが救った癌との命がけの戦い~腺様嚢胞癌ステージ4からの生還~」という書籍に。アマゾン、楽天ブックス、体育とスポーツ出版社のホームページなどから購入できます。

2018年05月

私は、喉頭部全摘出で声を失いました。

当時、住んでいた市の福祉係の窓口で、手続き、申請をし、現行の認定基準に合致しているため喉頭全摘出で3級に認定されました。

胸の気管孔については、胸骨、鎖骨、肋骨切除による運動障害、日常的に行わなければならないネブライザーによる加湿、痰除去、狭窄防止のためのエアウエイチューブの管理は命にもかかわることであり、長時間(私の場合、5時間くらいでネブラーザーによる加湿と痰取りが必要です。)の外出が出来ないにも関わらず障害としての認定がされません。

現行の認定基準では、人工透析、心臓ペースメーカーなどは症例、患者数が多いために
1級障害と認められていますが、永久気管孔、私のように胸骨を切除して胸に作った気管孔では症例、患者数が少ないために障害として認められていないのです。

主治医
N医師に聞いてみましたが、現行の基準では、呼吸器では人工呼吸器をつけていなければ1級にはならない、2級はないということです。

私は、胸に気管孔を作るために胸骨、鎖骨、肋骨
4本を切除しており、上半身を支える胸鎖関節がないために、肩痛で腕が上がらない、回せない、肩、背中、腕の慢性的な凝りなどで自分で上着を着れない障害がありますが、これについても現行の制度では、腕、足の欠損については障害が認められていますが、胸鎖関節がないという症例は含まれていないので障害と認められないのです。

三重苦のうちの1つしか認定されないわけです。この障害のため私は勤務先を退社する決意をせざるを得ませんでした。

日本の行政には、症例は少なくても、患者数は少なくても、事例別に総合的に判断するというようにもっと柔軟な対応をしてもらいたいものです。何とかならないか日本の行政!!

Shougaisyatetyou

入院中のことについて話します。

医師、看護師さんは、医学的根拠に基づいた検査の数値、血圧、体温、酸素濃度など数値を大きな判断材料としますが、計測された数値には個人差があります。数値が基準値内であっても、患者本人でないとわからない体調の変化、異常な感覚、不快さがあります。

私の場合も入院中気分が悪くても、呼吸が苦しくて訴えても、計測した血圧が、体温が、血中酸素値が正常値だからと放置ではありませんが、「数値が正常なので先生をよぶことが出来ない」的に様子を見られたことが何度もあります。確かに数値が規定範囲内であれば大事に至ることはないのでしょうが、患者にすれば訴えているのに手を打ってもらえないことほど不安なことはありません。

そして、多くの場合、異変が起こります。やはり、数値には表れていない段階で本人は異変の前兆を感じるのです。言い方を変えれば、ドクターや看護師さんが数値で確認できるのは異変が起こった後ということになります。私が気管孔に痰が詰まり呼吸が出来なかった時のほとんどはその前兆を感じています。

一番最近に窒息しそうになったときも前兆を感じ、リハビリをキャンセルした直後に窒息状態になりましたが、血中酸素濃度が
90%を割り規定値外になったのは完全に息が出来なくなったときでした。

火にないところに煙は立たないと言いますが、まさにその通り。これは患者本人にしか感じることが出来ないのですよね。

残念~!!
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ゴールデンウイーク明けの10日は母の月命日、11日は父の月命日でした。好きだったおまんじゅうとビールを供えました。・・・と言ってもその後には私がいただくのですが(笑)。

通院は、月曜日呼吸器外科の主治医
N医師、水曜日頭頸部外科のK医師、木曜日スポーツ医学のKu医師の外来、そして、木金の2日間のリハビリを受けてきました。気管孔は、月曜日に問題ないということだったのですが、翌日から周辺の痰のこびりつき、出血がおこり、今週の寒の戻りが原因でしょうか、首から喉、胸の痛みにも悩まされています。もうどこが痛いのか、何が痛いのかわからない感じですね。K医師に内視鏡で診ていただいた結果、気管支、食道ともにまだ少し炎症が見られるものの大きな問題はないということなので安心しましたが、気管孔の周囲の痰と出血による炎症について尋ねると看護師さんが出てきて、ネブライザーをかけて加湿したあと、ウエットティッシュで優しく拭く。ピンセットなどで無理に取らないなど親切に指導してくださいました。私はプロレスが好きな割に血は苦手!!気管孔周りから出血してくると「うわあ!血が出てきた!!」とびびってしまいます。子供の頃に銀髪鬼フレッド・ブラッシー選手の噛みつき、流血を見たおばあさんがショック死するという事件がありましたが、私も血は苦手ですからショック死する部類でしょう(笑)。外科医の先生は、血はへっちゃらですよね。怖がっていたら手術はできませんが・・・。


ここ数日の荒天に加えての寒さは、首から胸にかけての手術痕、放射線痕が固まってツッパリ痛みます。こんな日は、気管孔にお湯が入らないように注意しながらもお風呂で半身浴をするのが一番です。肩まで浸かることが出来ればいいのでしょうが、そんなことをしたら即天国行きです。半身浴だけでもツッパリ感が緩和されて気持ちがいい!!半身浴だけでもできるだけ幸せですね。

右肩の調子は相変わらずよくないので、スポーツ医科学のKu医師からヒアルロン酸の注射をしていただきました。手術で胸鎖関節が無くなっているのが原因であることは間違いないと思いますが、症例がない体なのでスポーツ医学の先生も試行錯誤のようです。今までの人生ではボディビルのおかげか肩こり知らずだったのですが、胸鎖関節が無いのを補おうと筋肉が常時緊張しているようで首、僧帽筋、肩甲骨周辺の筋群が凝り固まっています。これだけ切ったり縫ったりしていると、回復かと思っていたら、今までなかった思わぬ症状が突然出てきたりします。腕の痺れ、今、悩ませている右肩が痛くて上げられない回せない、夜眠れないという症状もそうです。注射もあまり効果がないとするとリハビリと自己回復力頼みなのでしょうが、機能が回復するにはまだまだ紆余曲折が予想されますね。時間をかけてじっくり治すしかないのでしょう。「あの頃は痛かったよなあ。」と笑って話せる日が来ることを信じています。

そして今週、寒いと思っていたら再び暑くなってきました。ならば、胸と首の痛みは和らぐであろうという期待は見事に裏切られ暑いのにかっちかっちです。気管孔もどうやら肉芽のようなものがチューブの刺激からか出来ており不快です。昨夜は体調が悪く早く床にはいりました。

まあ、しかし、これも想定内。今月末には、
ACCカフェと術後初の関西遠征も計画していますから、それを目標に体調のいい時にトレーニングを進めて体力増強を計ります。戦う筋肉、筋力をつけます!!一時は10kg減った体重もこころなしか増えてきているような・・・。

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212日の退院以来、時間が経つのが恐ろしく早いと感じます。1日4回実施するネブライザーを11回寝る前に洗浄しているのですが、さっき洗ったと思ったらまた洗う時間です。昨日見たと思ったテレビ番組がもう1週間経って今夜という感じです。

ボーッと生きている時間はありませんね。

ゴールデンウイークも終わり、今日は荒天の中、朝から1か月ぶりの呼吸器外科の主治医N医師による外来診察とリハビリでした。まず、体調については、幸い大きく変わるところはないので、診察の後は今後について話をうかがいました。

私は、元々、関西出身なので、今後、関西で診察治療となるとどこの病院がいいのか?紹介はしていただけるのか?今後の受診の予定はどうなるのか?などなどです。

まず、病院については、病院よりも医師が判断基準となるようなのですが、私のような特殊な手術が出来る医師がそうはいないことから、当然、そのアフターケアを引き継げる経験のある、受け入れましょうという医師がそうはいないことが現実のようでした。「紹介状は書きますけど、その医師が受けるかどうかですね。」・・・ということは、受け入れてくれる医師がいなければ、ずっと鴨川!!??どうしたものか・・・。やっかいな体です。

6月には、再び、PET検査、CT検査、気管支鏡検査をやるそうです。検査の目的は再発、転移がないかの確認なのですが、今回は「脳」も撮るとか。最近、知り合いで肺腺癌が脳に転移してガンマーナイフで取ったという話を聞いたところなのですが出来ることならしたくないですね。

最後に、私の場合、声を失ったことは、3級障害と認定されています。しかし、気管切除、気管孔という胸の穴での呼吸には、一生、ネブライザーでの加湿が必要であり、エアウエイチューブも抜ける時がくるのか一生入れて管理しなければならないかもわからない状態で、これらは気管が詰まれば即死につながるにもかかわらず、今の基準では障害として認められないのですね。胸鎖関節(胸骨、鎖骨、肋骨)がないために、運動機能障害があるにもかかわらず、これも障害として認定されない現状について伺いました。

しかし、やはり現状の基準では、呼吸器については人工呼吸器をつけないと認定されないそうです。胸鎖関節がないことについては整形のほうに確認してくださいとのことでした。私の胸の気管孔も胸鎖関節がないという状態も、前例、患者数が少ないために現行の障害の基準に合致しないから障害にならないようです。行政ももっと柔軟な対応が出来ないものでしょうか。

将来、認められる時が来るかもしれませんが、現状ではないものねだりです。愚痴を言っていてもはじまりません。

自分が出来る事を、自分がやるべき事をやり、前向きに生きたいと思います。

これからは五月晴れの日々が続くでしょう!!それに合わせて体調もきっと上昇気流に乗ると思います。

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今日は、東京オープンボディビル選手権の日。

2018年のボディビルシーズンの開幕を告げる大会です。昨年の今頃は会場で月刊ボディビルディングの取材でプレス席に座っていました。
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(※昨年の東京オープン75㎏超級)

その
50日後にステージ4の稀少癌で手術をしなければ余命3カ月宣告を受けるとも知らずに。そして、1年後、私は二人のスーパードクターによる手術を受け、今、確かに生きています。長年ボディビルで鍛えた筋肉=体力に支えられ、右の大胸筋と命を引き換えに生きています。
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マスターズのステージに立つ、今までのような取材活動の場への復帰は難しいかもしれませんが、長年お世話になった、私を育ててくれたボディビルに何か恩返しが出来るのではないかと今考えています。

東京オープンに挑戦した選手の皆さん、東京ボディビル連盟の関係者の皆さん、お疲れ様でした!!

また、お会いできる日を楽しみにしています!!

Train strong エイエイオー!!

Live strong エイエイオー!!

退院はしたものの手術で気管が5cmと短くなり、手術前のようにのど、口、鼻を介して呼吸しないためにどうしても肺に入る空気が乾燥します。

入院中だった秋から冬場、春にかけては特に空気が乾燥するために肺炎や気管支炎になったり、風邪、インフルエンザに感染といったリスクが大きくなるのです。そこで、命を守るためにネブライザーという吸入器での加湿を
1日に数回しなければなりません。入院中の多い時では1日に7回、退院して自宅療養になってからは放射線治療による炎症が治まったために回数は減っています。それでも1日に4回です。つまり、単純計算して、5時間おきくらいにネブライザーを20分程度かけて加湿する必要があるのです。

通常は、呼吸器疾患のある患者が口にマウスピースをくわえたり、吸入マスクを口にあてるのですが、私の場合、胸に開いた気管孔という孔に吸入マスクをあてて吸入することになります。加湿することによって乾燥して気管壁にこびりついた痰が柔らかくなり、体は痰を吐きだそうとして咳き込むため気管孔から痰がでてきます。生きるためにその作業を日課として続けなければならないのです。
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昨年11月の一時退院時にはO社の家庭用ネブライザーコンプレッサー式 NE-C28 (定価20,000円)を、購入しましたが、どうしても病院で使っていたものと比べると霧化量のパワーが足りません。そこで退院時にはやはりO社の超音波式ネブライザーNE-U780(定価100,000円)を購入しました。しかし、自宅で設置して使う分にはいいのですが、長時間の外出となるとAC100V電源が必要ですし、重量が本体だけで2.5㎏ありかさも大きくて持ち運ぶのが大変です。そこで、あちこち調べた結果、やはり、O社の携帯用メッシュ式ネブライザ NE-U22(定価 32,000円)、本体97gを購入しました。

正直、
NE-C28がパワー不足と感じていたので、さらに小さいくなる携帯用には不安があったのですが、本体からチューブを介さずに直接吸入マスクとなるからでしょうか、実際に使ってみると小さい割に優れものということがわかりました。勿論、携帯用なのでAC電源で使えますし、単三乾電池でも使えます。
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これで今月27日に東京の国立がんセンター中央で開催されるACCカフェへの参加へのハードルがひとつ無くなりました。

しかし、命と引き換えとは言え不経済でやっかいな体になったものです。

こんなこと言ったら、バチが当たりますね。生きてるだけで丸儲けなのに。

★ネブライザー★

気道内の加湿や薬液投与のため、喀痰粘液溶解剤、気管支拡張剤、抗生物質、生理食塩水などの薬液を数μmの大きさに霧化して気管支や肺胞に送り込む装置。

圧縮空気で薬液を霧状にするコンプレッサー式ネブライザー、超音波振動子の振動を利用して薬液を霧状にする超音波式ネブライザー、振動などによって薬液をメッシュの穴から押し出して霧状にするメッシュ式ネブライザーがある。

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