「今後の人生を悔いを残さないようにどう生きるべきか?」腺様嚢胞癌を罹患して考えたことをまとめてみました。

 kameda20170922051

【①がんは、すぐに死ぬ病、必ず死ぬ病ではない。

◎がんはステージ4でも治る可能性がある。しかし、効果があると言われている治療には副作用、合併症が付きまといます。諸刃の剣です。がん自体よりも治療の副作用で苦しむことも覚悟が必要です。生きるための治療ですから、治療で今まで普通に出来ていたことが出来なくなり、QOLは下がるかもしれませんが長生きできる可能性もあります。まず、自分が罹患したがんについて知ること、そのがんが治る可能性がある治療法を知ること。そして、どの治療をするか、またはしないかを自分で決める事が出来ます。決めたら後戻りは出来ないので前に向かって進むだけです。

 

【②不安への対応】

◎がんになると、死を身近に感じ、病状の悪化、転移、再発への不安を持つものです。しかし、起こってもいないことへの不安は妄想にすぎません。起こっても居ないことを心配することは無駄です。また、なってしまったことは仕方がないし、過去には戻れませんから前向きに進むしかないのです。

 

【③がんは多くの場合、突然死ぬ病と違いやるべきことを考え、実行する時間が持てる。】

がんは多くの場合、突然死ぬということはありません。(私が患った気管癌のように症状が無いままに突然気管が癌でつまり呼吸困難に落ちいって死ぬ場合もありますが稀です。)与えられた時間で、生かされた人生でやりたいこと、やるべきことを書き出し、優先的に実行することが出来ます。

 

【④がん治療は早期に。進行が進むほど失うものが多くなります。】

◎がん治療は早期発見、早期治療が大切。進行が進むほど失うものが多くなり、治療が成功しても当たり前が当たり前ではなくなります。治療費もかさみます。進行すると治療法がなくなることもあります。早期に治療をして、QOLが失われても、今の自分を受け入れ、人付き合いも含めて現状にあった生活をすることが求められます。

 

【⑤がんの治療法について・・・最終的には自身の判断で決める。】

◎現時点では、がん治療に効果が高いと実証されている3大治療は、外科手術、抗がん剤治療(化学療法)、放射線治療です。遺伝子ゲノム療法、免疫療法なども研究されていますが、癌種、罹患場所、進行度、医師、病院施設、体力、体質などにより治療法も効果も様々で、この治療がベストと言うものがありません。悪く言えば、モルモットかもしれません。病院での治療も最終決定は自分ですることになります。個人的には、私が巡り合った亀田総合病院の頭頸部外科、岸本誠司先生、呼吸器外科、野守裕明先生が仰っていた「切除できるものであれば、まず切除。その後、再発防止目的で断端部への放射線、必要に応じて抗がん剤でしょうか。私の罹患した腺様嚢胞癌は効果が確認されている抗がん剤がありません。抗がん剤の効果があるとされるがんでも万人に効果があるわけではなく寛解するのは5~10%とのこと、また、副作用は必ずと言っていいほど出て苦しむ人が多いのが現状のようです。私の場合、現時点においてですが、還暦を越えていますし、再発、転移があってもしないという選択になるかもしれません。。

【⑥がんであること、闘病について人に伝えるべきか?

◎考え方は人それぞれです。隠しきれるなら、周囲に心配させないということから隠すのもありです。しかし、隠していてもいずれ周囲は気が付きますし、最終的には誰かの世話にならなくてはなりません。そうなると周囲にも余計に気を使わせます。自身の中で悶々とくすぶることにもなり精神的に病むことにもなりかねません。個人的な考えですが、公にするほうが、悶々とした心のつかえを和らげることが出来るし、情報も入りやすくなり選択肢が広がり治療が円滑に進むのではないでしょうか。同じ環境に居る人の道しるべにもなり、少なからず人の役に立てるかもしれません。

 

【⑦大切な人に感謝の言葉を伝えることが大切です。】

◎がんを罹患することで、本当に大切な人、自分を気使ってくれる人が誰なのかがわかります。自然に感謝の言葉が出てきます。言葉にして伝えることが大切です。

 

【⑧死は誰にも公平に訪れる。死以上のことはないと開き直る】

◎今、病気であろうと健康であろうと、「誰もが早晩死ぬし、死がいつ来るか誰にもわからない」という事実。「最悪でも死ぬだけ」という開き直りで楽になります。死は万人にとって避けられないものですが、逝く時には苦しまずに逝きたいものですね。

 

【⑨人は死んだらどうなるのか?】

死んだらどうなるのだろうということも考えました。私はもともと特定の宗教を持っていなかったからかもしれませんが、目に見えるものがすべてではなく放射線、電磁波のように目に見えなくても無味無臭でも存在するものがあることも分かっていますが、あの世、来世、生まれ変わりはないだろうと思っています。人間をはじめとする多くの生物は一代限りで、命を次の世代につないだら土に帰って役割は終わりだと思っています。多くの宗教にある「現世で善い行いをすることで、来世で幸せに生きることが出来る。」と言う教えは人間として物欲にとらわれることなく真っ当に生きるための指標として尊いものだと思います。

 

【⑩一度きりの人生を少しでも悔いを残さないように生き切る。】

がんを罹患し、死を身近に感じることで、自分の存在の意味を考え、人生で何が大切なのか?誰が大切なのかを知り、一度きりの人生を少しでも悔いを残さないように前向きに生き切ることが大切ではないでしょうか。人に迷惑をかけることなく、真っ当に生きることではないでしょうか。そうすれば、来世があったとしても素晴らしい世界に行けるのではと思います。

 

と言うことで、やるべきことをノートに書き出し、優先順位の高いものから1日ひとつやるべきことをやり、この世で出会いお世話になった人々に感謝し、出来るだけ悔いを残さないように笑顔で生き切ることだと思います。
Kaasasan20190218001

さあ、明日は歯の治療のあと、体育館で少しハードなトレーニングです!!

kameda20170922120